蓄電池専門用語集 - ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリング(Solar Sharing)

一覧へ

農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備等の発電設備を設置し、営農を継続しながら発電事業を行うこと。

「農地法」は農業生産の保護および農地の乱開発を防止するため、農地の売却・賃貸・転用といった行為を原則禁止している。ソーラーシェアリングは農地に基礎を作り、支柱を立てることが「農地転用」に該当するものとして転用許可が得られなかった。
しかし、農業人口は高齢化や後継者不足などによって人手不足、農作物価格の下落といった経済的な問題などの理由もあって、耕作放棄地が徐々に増加しつつある。
そのような背景もあって、平成25年3月31日に「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」が公表。 農業の適切な継続を前提に三年という期限付き(更新可能)で「一時転用」が認められることとなり、ソーラーシェアリングを行うことが可能となった。

農地の一時転用許可にあたり、次のようなことが求められる。

  • 営農の継続が確実か
  • 一時転用の対象である支柱は簡易な構造であり、容易に解体可能か
  • 収穫量や品質などの確保が確実か(発電設備周囲の農耕地の80%の収穫量が目安)
  • 発電設備の下の日照量が保たれる設計か
  • 農作業機械の利用が可能な支柱の高さや空間が確保されているか
  • 周辺農地の効率的利用などに支障がない位置か
  • 年一回の報告を義務付け(農作物生産に著しい支障がある場合は施設の撤去・農地の復元が義務付けされる)

一時転用の期間は三年だが、営農状態を総合的に勘案して問題がない場合は再許可が下りる。仮に農作物生産に支障をきたしている場合でも、発電設備が原因ではないやむを得ない事情があるならば考慮対象となる。
農地法による許可の他にも、高さと強度を確保するために架台が割高になること、パネルの間隔を広げて日照量を確保するため面積当たりの発電量が少ないことなど、住宅用や産業用の太陽光発電と比較すればデメリットがある。
しかしながら、農業と売電事業を並立することで安定した所得を得られるメリットは、非常に大きな意義といえる。安定した収入をもたらす発電事業は、台風などの自然災害で収穫量が増減するために不安定になりやすい農業の経済問題を支えることができる。それは個人の農家が農業を継続して続けていくことための支えにもなるが、同時に大規模なソーラーシェアリングをビジネスモデルとする農業法人の新規参入を促す材料にもなる。そうしてソーラーシェアリングの普及が進むにつれて、長期に渡る発電事業とともに農業が安定的に行われることにもなるので、農業の長期的活性化へとつながっていくことになる。
メリットは金銭面だけではない。発電設備によって陰性や半陰性の農作物に適した日照量への調整や、光飽和点を超えた日光による水分の蒸発の抑制、発電した電力のハウス栽培で自家消費、日陰作業による農作業の効率化など、農業面においてもメリットはある。農地への日照量の減少はデメリットの側面もあるが、ソーラーシェアリングでは農作物の指定がないため、日照量に適した農作物を作ることでデメリットをメリットに変えることができる。

社会的に見た場合、メリットは農業の活性化だけではない。
農地が長期間農耕に用いられず荒地になると、再生に時間やコストがかかるだけでなく、農薬がまかれなくなるために害虫や鳥獣による被害増大、不法投棄、水害時の被害緩和機能の喪失など、数多の問題が生じてしまう。農業の活性化、ひいてはソーラーシェアリングは、耕作放棄地の増加抑制と活用による荒廃対策になり、農地が持つ多様な機能を回復させる一助になると思われる。

関連用語 イオン 充電 放電 リチウムイオン電池
TOPへ