ダックカーブ現象|蓄電池バンク

蓄電池専門用語集 - ダックカーブ現象

ダックカーブ現象(duck curve)

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カリフォルニア州で発表されたレポートで指摘された、実質電力需要と供給量が時間帯によって大きく乖離している現象。

下記の図は2020年までの実質電力需要と供給量の時間帯別の推移を現したグラフだが、日中は実質電力需要が大きく減少し、夕刻には逆に需要が増大。 昼間と夕刻とで需給バランスが逆転してしまっており、グラフがアヒル(ダック)のお腹と首に見えることからダックカーブ現象と呼ばれている。

ダックカーブ現象

「実質電力需要」とは、実際の電力消費量から太陽光発電など家庭で発電された電力量を差し引いた、正味の電力需要。
カリフォルニア州はアメリカ国内でも太陽光発電導入量がとび抜けて多い州であるため、日中に消費される電力のほとんどは自家発電で賄われる。そのため、実質電力需要は大きく減少してしまい、火力発電などで電力会社から供給される電力は大部分が過剰となる。 一方、電力ピークである夕刻に差し掛かると、太陽光による発電は減少・停止するため、自家発電による電力が減少する。そのため電力需要が急上昇し、需給バランスが入れ替わってしまう。

環境発電

このような電力需要の急激な変動に対応するためには火力発電所や蓄電池の活用・制御が求められる。また、電気料金制度やデマンドレスポンスによって電力需要のピークを日中にシフトすること、電気温水器や氷蓄熱空調システムなどの活用も対策として挙げられている。
加えてカリフォルニア州は2014年から太陽光パネルの西向き設置に対しての補助金を増額し、ダックカーブ現象の解消を目指している。

ダックカーブ現象はカリフォルニア州の話だけではない。太陽光発電が普及して発電量を増すほどに浮かび上がる需給バランスの問題が顕著に表れた例と言える。
日本でも、太陽光発電の発電量が多い九州電力では天候や季節によっては需要を供給が上回ることがあり、決して日本に無関係な話ではないことがわかる。

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