コストカットと非常電源確保を促進する産業用蓄電池

地球温暖化や化石燃料の枯渇、電力需給の逼迫といった問題から、エネルギーの安定供給や確保が国家レベルの重要な課題となっています。

これらの対策として、現在、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー設備の普及促進が図られていますが、その設備利用率は天候や環境によって大きく左右されるため、安定性に欠けているというのが現状です。

再生可能エネルギーの不安定な出力を平準化させ、より強固で安定した電力システムを構築するためには、蓄電システムの活用が必要不可欠です。
また、電力需要の高まる真夏や真冬といった時期におけるピークシフトや「スマートグリッド」を実現する要素技術として、蓄電システムは非常に大きな注目を集めています。

東日本大震災以降、大規模な自然災害に対する備えとして、産業用蓄電システムを導入する企業や団体、施設が増加しています。
災害対策としてだけでなく、電力不足時や節電要請時などに左右されずに事業を継続させる要素としても、絶大な効果を発揮することが期待出来るでしょう。

設置シーンに応じた産業用蓄電システムの活用法

一口に産業用蓄電池といっても、設置環境が異なれば導入目的も大きく異なってくることが想定されるため、効果的な導入を図るためにも設置シーンに応じて検討を進める事が重要となります。

以下のページでは、5つの設置シーンにおいて産業用蓄電システムを導入する場合のメリットや注意点などを解説しています。

想定される蓄電池設置シーン
オフィスビル 小規模店舗 工場・物流倉庫 公共施設 商業施設

産業用蓄電池を導入するメリット

防災性能・事業継続性の向上が望める

停電 阪神・淡路大震災を発端に、新潟県中越沖地震や東日本大震災が発生した際、多くの企業が事業の停止・縮小の必要を迫られるという事態に陥りました。
各企業はそれぞれが社会を運用する一員であるという考えから、こうした未曾有の大災害時にも事業を継続出来るようにBCP(事業継続計画)の策定や見直しが必要とされています。

実際に、東日本大震災がもたらした企業への影響は大きく、NTTデータ経営研究所のレポートによると、全国の約7割の企業がこの震災によって何らかの影響を受けていることが判明しています。

大規模な災害が発生した際には情報の確保及び発信が重要となるため、パソコンや電話、テレビやラジオといった端末は常時使用できる状態が望ましいところです。
蓄電システムを導入することで公的なライフラインが停まっても企業としての運営は機能し続けることができます。蓄電システムにより大きなメリットを享受する事ができるのです。

ピークシフトを容易に行える

ピークシフトの例

震災以降、電力需給が逼迫している影響から、電力会社は電力需給がピークに達すると予測された際には、電力会社による節電要請が行われます。
その対象は多くの電力を使用するオフィスビルや工場、商業・公共施設となりますが、その規模もあってピークシフトを行うことは容易ではありません。

工場を例にすると、そのピークシフトの手段は「夜間操業を行う」「ラインを必要としない作業をピーク時に行う」といったものであるケースが多く、これは納期や仕様、価格といった製造計画そのものにも影響を及ぼしていることが否めません。

また、太陽光発電システムと併設することによって、より効率的にエネルギーをマネジメントすることが可能です。それに伴って、電気料金の削減などの効果も期待出来ます。

家庭用と比べて有利な補助金制度

一般財団法人環境共創イニシアチブは、定置用リチウムイオン蓄電池を設置する個人・法人を対象とする補助金事業を行っています。

本補助金事業において、個人が住宅に設置した場合の補助上限額は100万円となっていますが、法人が事業所に設置する場合は1億円となっています。

詳しくは、【基礎知識】蓄電池と補助金制度をご覧ください。

産業用蓄電システムに係る規制・規格

消防法(火災予防条例)

蓄電システムは、消防法上「その使用に際し、火災の発生の恐れのある設備」に位置付けられており、消防法や火災予防条例によって規制される電気設備となります。

地域によって異なりますが、例として東京都の火災予防条例であれば、同一の場所にある蓄電池の合計容量が4,800アンペアアワー・セル以上となる場合、蓄電システムが消防法に規制されることになります。

そのため、規制範囲以上の蓄電池設備を設置する場合は、所管の消防署に蓄電池設備設置届出を行わなければなりません。また、添付図面として配置図・外形図・単線結線図・展開接続図などを用意する必要があり、設置工事完了後には消防検査を受ける必要があります。

前述した通り、火災予防条例は総務省告示に準拠して各自治体が定めるものであり、設置地域によって規制が異なることもあるため、事前に所管の消防署に確認することが望ましいでしょう。

建築基準法

蓄電システムを設置するために新たに建屋などを設ける場合は、建屋の建築確認申請を行い建築主事の確認を経て、確認済証の交付を受ける必要があります。
また、工場などに設置する場合は工場立地法などの確認も必要となるため、注意しましょう。

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