東京都 2013年12月24日 日立、東京メトロと地上蓄電装置を使用した鉄道車両走行試験を実施
株式会社日立製作所は10月7日、東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)と共同で、大規模災害の影響で停電した際に、駅間で停止した列車が最寄り駅へ自力走行する電力を供給する非常用地上バッテリー装置を使用した車両走行実験を2014年1月から開始すると発表した。
本装置は、蓄電池式回生電力貯蔵装置(以下、B-CHOPシステム)で確立した日立の技術を応用したもので、列車の停止や原則の際に発生する回生電力を吸収して蓄電池に貯蔵し、列車の運行に必要な電力として利用するシステム。通常時には、蓄電池に一時的に貯蔵した電力で加速列車をアシストすることで、運行に必要な総電力量の削減に役立てる。また、非常時には、貯蔵した電力を電車線へ供給し、駅間で停止した列車を最寄り駅まで自力で走行させることが可能という。
現在、停電などで駅間に列車が停止した場合は、一般的には鉄道事業者が安全確認をした後、最寄り駅まで走行させて、乗客を駅で降車させることが基本運用となっているが、自力走行が不可能な場合は、駅員が救援に向かい、線路上を歩いて避難させることになっている。
こういった問題も、本装置を導入することで自力走行が可能となり、乗客をより確実に、安全・迅速に避難させることが可能となる。
同社は、今回の走行試験による性能評価とシステム最適化の検証を通して、鉄道輸送の安全性向上と省エネ化に貢献する鉄道システムを実現し、国内を始めグローバルに事業を展開していくとしている。
株式会社日立製作所 - ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2013/10/1007b.html