NAS電池の特徴と課題|蓄電池バンク

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NAS電池とは何ですか?

極材にナトリウムと硫黄を用いた高温作動型二次電池です。

地球温暖化や化石燃料の枯渇といった問題は年々深刻化しており、 それらの対策解決策の再生可能エネルギーの導入が世界的に推進されていますが、 再生可能エネルギー設備の出力は天候や環境によって大きく変動するため、 大量に電力系統へ導入された場合には電力品質の低下などが引き起こされるのではないかということが懸念されています。

これら再生可能エネルギーの出力安定化や電力負荷平準化、電力系統の安定化を実現するものとして、 現在ではNAS電池やレドックスフロー電池 といった大型の蓄電部を持つ電力貯蔵設備が注目されています。

NAS単電池の内部構造

NAS電池は、負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いて、 硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す仕組みの二次電池です。

日本ガイシ株式会社が世界で始めて実用化に成功し、メガワット級の電力貯蔵設備を構築することが可能となりました。

NAS電池の最も大きな特徴として、重量エネルギー密度が高く、その割には安価であることが挙げられます。

また、設置場所の制約が少ないという特徴もあるため、需要変動の大きい都市部の変電所や、 再生可能エネルギーを用いた施設の近辺に設置できることもメリットでしょう。

一方で、作動温度が300度に温度を維持する必要があること、またナトリウムや硫黄が危険物として指定されていることから、 取り扱う上での安全確保や事故発生時の対策が大きな課題となっています。

NAS電池は安全に使用され、その性能が十分に発揮されれば、節電対策やエネルギーコストの削減・環境負荷低減等に有効であり、 実証実験中のレドックスフロー電池と同様に注目度の高い電池と言えます。

現在のところ、量産レベルでNAS電池を製造できるのは日本ガイシ株式会社のみとなっており、 今後世界的にスマートグリッドの導入が進む際には、日本の技術力を国際的にアピールできるのではないでしょうか。

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