蓄電池の種類と特徴|蓄電池バンク

蓄電池や太陽光発電に関する質問を掲載


蓄電池にはどのような種類がありますか?

大きく分けて4種類あります。

現在、主に用いられている蓄電池として、鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池・NAS電池の4種類があります。 同じ蓄電池とはいっても、用いられている物質や材料によってその特徴は大きく異なり、それぞれ適した用途で使い分けされています。

蓄電池の性能比較

蓄電池は、それぞれの種類によって利用するメリットがありますが、小型化が可能で高性能ということからリチウムイオン電池が優れていると言えるでしょう。 以下の表は「蓄電池技術の現状と取り組みについて」(2009年、資源エネルギー庁)より抜粋したもの。

鉛蓄電池 NAS電池 ニッケル水素電池 リチウムイオン電池
エネルギー密度*1 約35Wh/kg 約110Wh/kg 約60Wh/kg 約120Wh/kg
エネルギー効率*2 87% 90% 90% 95%
寿命(サイクル数)*3 4500 4500 2000 3500

*1エネルギー密度...1kgあたりに蓄電可能な電力量
*2エネルギー効率:充電を100として放電できる効率
*3サイクル数:1回の充放電を1サイクルとして何サイクル充放電できるかを示す指標

各電池の特徴

鉛蓄電池

鉛蓄電池 負極に鉛、正極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いた電池。
蓄電池の中でも最も古い歴史を持ち、過充電に強いこと、広い温度範囲で動作する特徴があります。

形式によっては取扱いやメンテナンスに注意が必要なものもありますが、安価で使用実績が多いことから、 車のバッテリーやフォークリフトの主電源、非常用電源等の幅広い用途で用いられています。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池 負極に水素吸蔵合金、正極にオキシ水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いた電池。 基本的に高性能な電池で、過充電・過放電に強く急速充放電が可能であることから多く利用されてきました。

近年になってリチウムイオン電池が登場し、置き換えが進むことになりましたが、 現在でも乾電池型二次電池やハイブリッドカーの蓄電部として利用されています。

リチウムイオン電池

定置用リチウムイオン二次電池 負極に炭素材料、正極にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いた電池。 電圧・エネルギー密度が高くメモリー効果が小さいことから、実用化されて以降急速に普及することになります。

過充電や過放電に弱いため、保存特性については他の電池に優位性がありますが、小型化・高密度化が可能なリチウムイオン電池は、 モバイル機器のバッテリーや電気自動車のバッテリーなど、様々な用途で利用されています。

NAS電池

NAS電池 負極に炭素材料、正極にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いた電池。 世界で唯一日本ガイシ株式会社のみが製造しており、大規模電力貯蔵施設や電力負荷平準化、 再生可能エネルギーの出力安定化対策等としての用途が期待されています。

作動温度が300度程度と高い上に有機電解液を用いていることから、安全性確保が重要となる電池ですが、 構成材料が資源的に豊富で長寿命であること、また充放電の効率が高いこともあり、今後は工場などを中心に普及が進むことが予想されます。

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