商業施設に蓄電システムを導入する
防災設備の充実がポイント
維持費削減とCSRとして
長引く電力需給の逼迫から、大口需要家である商業施設(複合商業施設、百貨店、ホテルなど)には、節電の努力やピークシフトの取組みが求められています。
商業施設におけるピークシフトの手法として、空調の温度調整や照明のLED化といったものが多く見受けられますが、その効果はあまり大きくありません。
より効率的に電力を使用するために、現在では多くの店舗で蓄電システムや再生可能エネルギー設備を組み合わせた最適なエネルギーマネジメントシステムの導入が検討されています。
効率的にエネルギーを利用するということは、エネルギー利用量の削減やそれに伴う施設の運営費用削減を実現することができます。また、2010年に省エネ法が改正されたこともあり、環境規制がより一層厳しくなっている現在において、これらの取り組みはCSRを果たす上でも有利な要素と言えるでしょう。
商業施設に蓄電システムを導入するメリット
ピークシフトを容易に行える
蓄電システムを導入することで、事業への影響を抑えつつ、ピークシフトを容易に行えるようになります。 夜間のうちに電力を貯めてピーク時に放電するだけで済むため、人員にかかる負担もほとんどありません。
複合商業施設などのうち、生鮮食品売り場がある店舗では冷凍・冷蔵設備を稼働させる必要がありますが、 これらによる電力消費量は店舗全体の消費量の半分以上を占めるため、ピーク時には何らかの対処が必要となります。
こういった場合にも、蓄電システムは有効なソリューションの一つになると言えるでしょう。 それら設備の稼働状況を考慮しつつ、蓄電池から対象設備に電力を供給することで、大幅に負荷を低減することが可能となります。
地域の防災拠点として
テナントが入る建物やショッピングモールなどの複合商業施設は、社員やテナント従業員、利用者など多くの人が出入りする場所です。
大規模な災害が発生した際にも生活必需品を供給できることは、商業施設としてこれ以上ない強みになることは間違いありません。
BEMSで効率的な設備運用を
BEMSとは「Building Energy Management System」を略した言葉で「ビル内エネルギー管理システム」を意味します。 エネルギー問題が深刻化し、より効率的なエネルギーの利用・管理が求められている昨今、BEMSがもたらす効果は非常に大きいと言えるでしょう。
BEMSを導入している施設に蓄電システムを導入することで、ピークシフトなどはもちろん、施設全体の電気代の削減効果が望めます。 また、環境先進施設として施設のイメージ向上や企業のCSR活動としても、優位に働きかけることが推定されます。