工場や倉庫に蓄電システムを導入する
長引く電力需給の逼迫を受け、現在、製造現場を取り巻く電力事情は転換の時期を向かえています。
日本国内では、年間10,800億kWhもの電力が消費されていますが、そのうちの4割強を製造業が占めています。大口需要家である工場には従来より省エネ努力が求められていましたが、その当りは日に日に強くなっているのが現状です。
受給がピークとなりやすい真夏・真冬の時期において、製造現場は「夜間操業」や「ラインを必要としない作業を行う」といった方法でピークシフトを行っていますが、これが常態化することによる製造計画への影響は無視出来ません。
電力受給状況に影響されずにしっかりと事業を継続するためにも、蓄電システムは非常に重要な役割を担うと言えるでしょう。
また、蓄電システムの導入に伴い、太陽光発電システムを始めとする再生可能エネルギー設備を導入することで、社会的価値を高めるだけでなく、より強固なライフラインを構築することが可能となります。
工場や倉庫に蓄電システムを導入するメリット
ピークシフトを容易に行える
蓄電システムを導入することで事業への影響を抑えつつ、ピークシフトを容易に行えます。夜間のうちに電力を貯めてピーク時に放電するだけで済むため、人員にかかる負担もほとんどありません。
工場は非常に多くの電力を使用する施設であるため、電力会社による「節電要請」や「計画停電」が実施された際には、その分生産力の低下や製造計画への影響は大きなものとなります。
このような場合においても、蓄電システムは有効なソリューションの一つになると言えるでしょう。
製造計画を考慮しつつ、蓄電池によって工場内に電力を供給することで、大幅に負荷を低減することが可能となります。
FEMSとの連携で効率的なマネジメントを
FEMSとは、「Factory Energy Management System」を略した言葉で「工場内エネルギー管理システム」を意味します。特に大量の電力を必要とする工場においては、より効率的なエネルギーの利用・管理が求められているため、FEMSを導入する工場も少しずつ増加しています。
FEMSを導入している工場に蓄電システムを導入することで、ピークシフトなどはもちろん、工場全体の製造効率をアップすることができます。また、環境配慮型工場として、近隣住民へのイメージ向上や企業のCSR面でも優位に働きかけることが予測されます。