蓄電池が関わる事故の実例|蓄電池バンク

蓄電池や太陽光発電に関するよくある質問をピックアップ!

蓄電池が関わる事故はどのようなものがありますか?

様々な事故が確認されています。大きな事故をご紹介します。

○モバイル機器のバッテリーに関わる事故(2006年~)
2006年、様々なメーカーの携帯電話やノートパソコンのバッテリーが以上加熱・発火・破裂する事故が相次ぎ、電池の回収・交換といった騒動に発展しています。発火したモバイルバッテリーを消火しようと水をかけたことで、内部の電解液が飛び散って被害が拡大したケースもあります。

これらの事故においては、高容量化に伴って高温を発するようになった、制御ソフトウェアに不具合があった、外部からの衝撃で破損しやすい構造だった等、原因も様々でした。
この騒動を受け、2006年に策定されていたJIS C 8712「密閉形小形二次電池の安全性」をトラブルに対応させる形で、JIS C 8714「携帯電子機器用リチウムイオン蓄電池の単電池及び組電池の安全性試験」が2007年に策定されています。

○NAS電池の火災(2012年)
NAS電池とは日本ガイシ株式会社が実用化した大容量の電力蓄積システムです。
このNAS電池は400本の単電池をまとめてモジュール電池とし、それをいくつも組み合わせたものだが、事故の起こった蓄電池ではその内の単電池一本に製造不良があり、それが破裂して内部の高温の溶融物が流出。それが原因になって他の単電池間で短絡(ショート)が発生し、複数の単電池が破裂してNAS電池モジュール全体が2週間も延焼を続ける火災になりました。
この事故の対策として原因究明後、NAS電池内にヒューズ、短絡防止版、延焼防止板が追加され、既設のNAS電池にも同様の安全対策が順次施されました。
(参照:日本ガイシ株式会社 http://www.ngk.co.jp/index.html)

○ボーイング787のバッテリー事故(2013年)
2013年1月、ボーイング787のリチウムイオン電池から煙・異臭が生じたため、緊急着陸するトラブルが二度起こりました。この事でボーイング787は世界中で3カ月以上もの運航停止となります。
高松空港に緊急着陸したボーイング787の蓄電池は内部でショートを起こして発熱し、発煙するに至っていましたが、どうしてそうなったのかという根本的な原因は明らかにされていません。
ですが不具合への対策として、蓄電池内のセルやバッテリーケースの絶縁処理による発熱対策、排水口による結露・ガス対策、充電電流の安定化などが行われました。

モバイル機器のバッテリーによる飛行機内での事故は枚挙に暇がありません。気圧低下によってバッテリーが破損して液漏れするためと思われます。
ICAO(国際民間航空機関)は2016年4月、リチウムイオン電池の預け入れ荷物としても輸送を禁止しました。国内においてもJAL(日本航空)やANA(全日本空輸)もリチウム電池・リチウムイオン電池の預け入れや機内持ち込みに制限を課しています。

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