レドックスフロー電池の特徴と課題|蓄電池バンク

蓄電池や太陽光発電に関するよくある質問をピックアップ!

レドックスフロー電池とは何ですか?

溶液をポンプ循環し、酸化還元反応を進行させて充放電を行う電池です。

低炭素社会の実現を目指して、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの導入が世界的に推進されていますが、 太陽光発電や風力発電の出力は天候や環境によって大きく変動するため、 大量に電力系統へ導入された場合には電力品質の低下といった問題が生じると予測されています。

この課題を解決する要素技術の一つとして電力貯蔵技術が注目されており、 現在では大型蓄電システムを用いた実証実験やプロジェクトが多く推進されています。 レドックスフロー電池はその電力貯蔵用電池の一つであり、1970年代にNASAが基本原理を発表して以来、 国内外を問わず開発が進められており、既に一部では実用化が進められています。

レドックス(redox)という用語は、還元(reduction)と酸化(oxidation)を合わせた言葉。
レドックス電池は不活性電極の表面で、活物質である2種類のレドックス系の酸化と還元が生じる電気化学システムを指します。

この活物質の溶液を外部のタンク等に蓄え、ポンプ等により流通形電解セルに供給して充放電させる電池がレドックスフロー電池と呼ばれるものです。

レドックスフロー電池の原理

レドックスフロー電池の構造は以下の図の通り。 電池反応を行う流通形電解セル、活物質の溶液(電解液)を貯蔵する正負極のタンク、 さらに電解液をタンクからセルへと循環するためのポンプ、配管などから構成されています。

特徴として、重量エネルギー密度がリチウムイオン電池の1/5程度と低く、小型化に向いていませんが、 サイクル寿命が1万回以上と長く、10年以上利用できることが挙げられます。 また、構造が単純で大型化が容易であるため、大規模な電力貯蔵用設備として適していると言えるでしょう。

日本においては、住友電気工業株式会社が2000年初頭から製品の販売を開始しており、 電力負荷平準化や瞬時電圧低下対策、再生可能エネルギー設備の出力安定化といった用途で用いられています。

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