高性能化を図る蓄電池素材の技術開発

蓄電池の高性能化を図る新素材

蓄電池の高性能化を図る新素材

“新しい素材の採用による高性能化が課題”

蓄電池は電極となるマテリアルの研究が進められており、素材が高性能化すれば小型で高容量の蓄電池を実現することができます。
既存の電極は多くのイオンを蓄えられないため、容量に限界が生まれるのが現状となっていますが、さらに多くのイオンを蓄えられるようになれば、蓄電池の容量も増やすことができます。

本記事ではこれまでに採用されてきたマテリアルについてご紹介いたします。

■正極材:マンガン マンガン マンガンと石炭はどちらも製鉄に欠かせない資源ですが、マンガンはクリーンエネルギーにも大事な役割を果たし、電気自動車の動力源、リチウムイオン二次電池の正極材料に採用されています。
しかし、重大な欠点として「正極材にマンガンを用いると寿命が低下する」と言われており、耐久寿命の問題が発生しています。

■負極材:銅ナノワイヤー、シリコン、カーボンナノチューブ 銅ナノワイヤー 銅ナノワイヤーは人間の毛髪の5万分の1で、グラファイトに比べて2倍の容量を充電することができます。
さらに現在は数時間かかる電気自動車のフル充電を、わずか数分で完了できる技術につながると期待されていますが、マンガンと同様、電解液に溶解する傾向があり、価格も比較的高いという欠点があります。

シリコン(ケイ素) 現在普及しているグラファイト負極に代えて電極材をシリコンにすることで、約10倍のエネルギーを吸蔵が実現できます。世界中の至る所に存在する豊富な資源であることから普及が見込まれていますが、充電時に膨張する欠点からシリコンが剥がれていき、容量が低下してしまいます。

カーボンナノチューブ グラファイトと同じ炭素でもナノチューブを利用した方が充電、放電の速度が上がると考えられています。
しかし、バッテリーとして使用するには多少構造を変える必要があり、しかも相当な高温で処理しなければならないというデメリットがあります。

■電池材料:マグネシウムとナトリウム マグネシウム  ナトリウム 電池材料をリチウムからマグネシウムに変えると、容量は2倍になりますが、電圧は弱くなってしまいます。
しかし、素材としての値段が安く、新しい材料としては期待が持てます。

また、低コストであるナトリウムは、リチウムとの共通点も多く、代替材料としては魅力的ですが、ナトリウムの融点は非常に低く、電池のセル全体にナトリウム金属が沈着しやすくなります。水や空気と激しく反応していますので、安全性に弱点があります。

■電池開発の重要性と課題 現在、リチウムイオン蓄電池を販売するメーカーなどはそれぞれ独自の開発を行っており、課題としては長寿命、低コスト、高容量、大出力、省スペースの実現が目標になっています。

候補となる多くの素材を駆使し、目標とする課題をクリアできれば、現状で大きなネックとなるコスト面も量産化による低コスト化や生産ラインの安定化によって解決され、蓄電池市場の活性化につながると予測されます。

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