シングル発電とダブル発電

蓄電池と太陽光発電

シングル発電とダブル発電とは、蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせて住宅に設置したときに選択する発電方式です。

蓄電池は料金の安い夜間電力を蓄えて昼間に使用することで経済的なメリットを得ています。一方で太陽光発電システムは、太陽光から発電した電力を家庭内で使用、もしくは電力会社に売電することで経済的なメリットが得られます。

この両者は相性が良いのですが、組み合わせて設置する場合、日中の売電時に家庭内で使用する電力を太陽光発電で賄うか、蓄電池で賄うかを選択しなければなりません。

売電をしている間、蓄電池を停止して太陽光発電システムの発電した電力のみで家庭内での使用電力をまかなう方式を“シングル発電”、逆に売電中も蓄電池から放電して使用電力をまかなう方式を“ダブル発電”といいます。

何故どちらかの発電方式を選ばなければならないのか。それはダブル発電には蓄電池によって売電量を増やす“押し上げ効果”があるからです。

押し上げ効果

売電中に蓄電池で家庭内の電力をまかなうと、その分だけ太陽光発電によって生み出された電力が多く余り、多く売電することができます。このようにして売電量を増やすことを“押し上げ効果”といいます。

この押し上げ効果は、実質的には割安な夜間電力を売電価格で転売して利益を得ていることになります。そして、日中に蓄電池の電力を使うほどに売電収入が増えていきます。

シングル発電とダブル発電イメージ

ですが、電力を使えば使うほど儲かるというのは、電力を無駄に消費することになるのでエコの観点からは望ましいものではありません。また、節電でしか売電収入を増やせないシングル発電や太陽光発電システムのみの発電との間に不公平が生じます。
そのため経済産業省は、このようなダブル発電のメリットを是正するため、売電価格を下げる措置をとっています。

10kw未満、出力制御対応機器設置義務なしの場合、平成28年度のシングル発電の売電単価は31円/kw、ダブル発電の売電単価は25円/kw(経済産業省のホームページより)となっており、20%弱も下げられています。これによって電気料金との差額が小さくすることで、押し上げ効果による経済的メリットを小さくしています。

どちらにメリットがあるか

平成28年度の売電単価を基に、シングル発電とダブル発電の売電収入を簡単な式にすると次のようになります。

シングル発電とダブル発電イメージ

比べてみると、シングル発電に比べてダブル発電は押し上げ効果による売電量の増加が見込めますが、売電単価が下がっているため売電収入が目減りし、一概にどちらにメリットがあるかは判別がつきません。

しかし設置する蓄電池や太陽光発電システムの容量、そして電気の使用状況によって、どちらがより適しているかを判断できます。

シングル発電とダブル発電イメージ

仕事や学校で外出していて日中はほとんど家に人がいない家庭ではシングル発電が適していることが多いです。もちろん使用環境や条件によってはダブル発電を選択した方がメリットを得られるケースもあります。

また蓄電池には電力会社と再契約することでシングル発電とダブル発電を切り替えられる機能を持つものもあります。蓄えた電気を使い切らなければ経済的メリットが小さくなるので、蓄電池の容量なども考慮しなければなりません。

このように、蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせてより大きなメリットを得るためには、様々な情報を基にした入念なシミュレーションや、生活スタイル・発電方式に適した蓄電池選びが重要となってくるでしょう。

ダブル発電のもう一つの着目点

上に書いた計算式から、シングル発電とダブル発電の売電価格の差は次のような計算式で表されます。

シングル発電とダブル発電イメージ

考慮する要素はもっと多いですが、この式の値がゼロより大きくなれば、ダブル発電にメリットがあると考えられます。

夜間の電力料金が下がり、売電単価との差が開けば、押し上げ効果による売電収入の増加額も大きくなります。しかし売電単価は次第に下がる流れになっており、いつかは夜間の電力料金と大差ない程度に落ち着くと思われます。

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